自然にくっついてしまう現象
宇宙では、普通では起こらないことが起きる…たとえば「コールド・ウェルディング」。
これは、金属同士がまるで接着剤を使ったかのように自然にくっついてしまう現象です。
どうしてそんなことが起こるのか、簡単に説明しますね。
金属の表面に酸化膜
地球上では、金属の表面に酸化膜が形成されるため、金属同士が直接触れても結合しにくいのですが、宇宙空間には酸素がほとんどないため、酸化膜ができません。そのため、金属同士が接触すると、原子同士の電子が共有され、非常に強い金属結合を形成してしまうのです。この現象は、原子レベルで金属が一体化するため、高い結合力が生じます。
NASAのガリレオ探査機
過去には、NASAのガリレオ探査機の高利得アンテナの展開不全の原因として、コールドウェルディングが原因の一因として考えられています。また、ヨーロッパの宇宙機関(ESA)の研究では、金属同士の接触面で、例えば数十グラムの重りを吊り上げられるほどの力が発生することが確認されています。
ギアやベアリング
宇宙船や衛星内部には、ギアやベアリングなど、金属同士が接触する部品が多く存在します。これらの部品がコールドウェルディングを起こすと、動作不良や故障の原因となるため、宇宙開発においては深刻な問題です。特に、打ち上げ時の振動や温度変化は、コールドウェルディングを誘発する要因となります。
コールドウェルディングを防ぐため
コールドウェルディングを防ぐために、様々な対策が講じられています。例えば、金属表面に特殊なコーティングを施したり、真空環境下でも蒸発しにくい潤滑剤を使用したりします。また、チタンやステンレスなど、結合しやすい金属の組み合わせを避けることも重要です。
まとめ
宇宙開発においては、このような予期せぬ現象に対する対策が不可欠です。コールドウェルディングは、宇宙環境の特殊性によって生じる現象の一つであり、今後もさらなる研究が進められていくでしょう。
関連記事 宇宙は一つだけではない?「多元宇宙(マルチバース)理論 ふしぎ発見
画像引用元 ゲーム売り上げランキング https://amzn.to/47WOflB